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花の病気・害虫と農薬

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HOME花を育てる>病気・害虫対策〜農薬いらずのコツ

病気・虫・農薬を知って元気な花を!

なぜ病気にかかるのか農薬ってなんだろう?
健康な植物を育てよう 1・連作障害2・コンパニオンプランツ

 
 

花マークなぜ病気にかかるのか?

花が病気になるとき、それはやっぱりわたしたちと同じです。
身体の抵抗力が弱まった時にウィルスや細菌に負けてしまうと病気になります。

わたしたちも、手洗いやうがいをしたり、食事のバランスを考えたりと
病気にならないような日常の心がけをしていますよね?

「病気になってから薬を飲めばいい、手術をすればいい」
という人も中にはいるでしょうが
基本的には、みんな、病気にはなりたくないから、
「薬を飲んだり、入院したりする前に、かからないようにしよう」
としますよね。

同じように、お花も、「病気になったらクスリ」という考えではなく
まずは予防!
「病気にならないように」 健康に育てることが基本です!

わたしたちの使うクスリもそうですが、
クスリ とは、イコール、毒です。
クスリは最後の手段と考えた方がいいですね。

 

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花マーク農薬ってどういうもの?

では、その「クスリ」=「農薬とは、いったいどういうものなのか?

ホームセンターなどに行けば、いとも簡単に農薬が手に入ります。
みなさん、使ったこともあるのではないかと思います。

この「農薬」の使用方法や注意事項、ちゃんと読んだことありますか?

 

たとえば、うちで使っているのは 「オルトランC」 という
有名な殺菌・殺虫剤ですが、 こんな事が書かれています。

・ 使うときは、農薬用マスク・手袋・長袖・長ズボンを着用すること。
・ 風向きなどに注意し、吸わないようにすること。
・ 使用後は、手はもちろん、顔、全身、眼球も洗い、うがいをすること。
・ 体調を崩したり、おかしいなと思ったら病院へ行くこと。
・ 散布した場所に子供やペットが入らないようにすること。
・ 池や水槽にかからないようにすること。
・ 治療には硫酸アトロピン製剤・PAM製剤が有効。

 

・・・どうですか?
暗に、 「毒ですから気をつけて」 って書いてあると思いません?
 
ところが、普通はなかなか、気づきませんね。
そんな厳重注意! なんて誰も言ってくれないし。

ですが、

農薬は、毒薬なんです。

 

農薬というのは、特定の虫や細菌・草などを殺すために、
その生物が生きるために必要な「しくみ」を止めて「殺す」薬です。
息をしたり、心臓を動かすのに必要な「しくみ」を止めてしまうのです。

一応、目的の生きものが持つ「しくみ」に対して効くように作ってはいますが
他の生きものが同じ「しくみ」を持っていれば、
当然、一緒に殺してしまう事になります。

「アブラムシ用」 と書いてあればアブラムシにはもちろん効きますが
それ以外の生きものに 「効かない」 とも言っていません。

他の生きものに害がないと証明されているワケじゃないんです。
「現時点では、人間などに害があるとは確認されていない」
「使用量を守れば、甚大な害があるものではない」
というだけです。

 

普通に使われていた農薬が、数年後、数十年後に
「深刻な病気を引き起こす」 として
使用・製造禁止になることは珍しくありません
これからも、そうなる農薬は出てくるでしょう。

そうして禁止された以前の農薬は、まだまだ地中に残ってしまっています。
農薬を吸った牧草を食べた牛に、 そのミルクを飲んだ人に・・・
と溜まって行く危ないクスリです。
(農薬に限らず、海の魚などのヒ素や水銀・カドミウム汚染も問題になっていますね)

 

それだけでなく。 これは極端な話ですが
農薬のまかれた土地の生きものがすべて死んでしまったら
どうなると思います??
 
落ち葉を食べ、土を耕してくれる生きものも、微生物も、いなくなったら。
そこに植物が育たなくなります。 木も草もなくなります。 そうしたら。
山や森が枯れ果てます。 そうしたら。
土は水を溜められなくなって干上がり、雨が降れば簡単に山崩れ。
草を食べていた動物もいなくなります、 そうしたら。
わたしたち人間も、死にますね。
地球そのものも、死んでしまうでしょう。

 
 

・・・・・・・
ちょっと脅かしすぎてしまったでしょうか ^^;

最近の農薬は、自然分解性のものが増え、
害が長引くことはないように作られているものや
自然の成分を利用したものもあります。
    
汚染が残ってしまうようなクスリは減りましたが
やっぱり大量に使えば害が出ますし、直接吸い込んだりすれば毒。
「書いてある、使っていい植物」以外の植物には毒でしかないこともあります。

 
うまく使うから「薬」になる

絶対使うな、ということではありません。
もちろん、うまく使えば役に立つものです。

農場で、一気に病気が蔓延したら大変なことになるでしょう?
それを食い止めるためには、薬を使うことも必要になってきます。

ただ、手当たり次第に使う前に、
きちんと、その薬のことを「知ってから」使うべきなのです。

むやみやたらに使うことは、 「毒」にしかなりません。

農薬も 「薬」 。
病気でないときに 「薬」 を飲んだら毒なのと同じように
『使っていいのは書いてある病気のとき、書いてある分量だけ!』
ということを忘れないようにしましょう!

 

肥料も農薬も、きちんと、用法・用量を守って、
正しく使うことが大切です。

 

まずは、正しい置き場(この子どこの子?) に置いて
水やり  夏の管理  冬の管理  をきちんとします。
肥料の分量や使用方法も守ります。
それでも病気になってしまったら、
その時はじめて「薬」を使うことを考えましょう。

 

農薬や肥料での環境汚染については、
・ レイチェル・カーソン 「沈黙の春」 が有名です。
  『蝶も飛ばず、花も咲かず、
  鳥も鳴かない春ほど恐ろしいものはない。』

  という警告を、1962年に発した本です。
  農薬に関してはかなり規制されてきたものの、
  全般的には未だに、この警告を守れていない
  わたしたち人間の愚かさを痛感します。
  学校でも、理科や社会の授業で使っているところもありますね。
  わたしも、中学か高校で習った覚えがあります。
 
難しいのはちょっと・・・という方は
 
・ 「夏子の酒」
  TVドラマにもなった有名マンガ。
  実在の酒蔵をモデルにした自然農法の話です。
  もちろん、日本酒作りの杜氏さんの話でもあります。
  日本人なら酒はワインより日本酒だ!
  と日本酒が飲みたくなるマンガです。
  わたしの出身大学が「東京N大」として登場します^^
  ドラマを見ていた人も、よかったら読んでみて下さい。

 

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薬をなるべく使わずに、
健康な花を育てるための応用編

花マーク連作障害

連作障害ってナニ??  ・・・簡単に説明すると
同じ仲間の植物を同じ場所で育てると、寄生虫が出たり
病気になったりして枯れてしまうこと
です。

その原因には
1. 特定の病原菌や寄生虫が集まってしまう
2. 植物自身が排せつした有毒成分がたまってしまう
3. 肥料のバランスが悪くなり、特定の成分が異常に多く、又は少なくなる

があります。
* 植物によって違うため、詳しいことは現在も
   いろいろ研究が行われています。

 

さて、この連作障害、有名なのは ナス科 と アブラナ科 です。

本を開くと、野菜だけのことのように書かれていますが
もちろん、花を見るために育てている植物でも ナス科はナス科 です。

ナス科の例 :
ナス ・ じゃがいも ・ トマト ・ ピーマン ・ トウガラシ
ペチュニア ・ ニコチアナ(花タバコ) ・ ニーレンベルキア ・ ソラナム

アブラナ科の例 :
小松菜 ・ 水菜 ・ ブロッコリー ・ キャベツ ・ 大根 ・カブ 
菜の花 ・ 葉ぼたん ・ ストック ・ アリッサム ・ ムラサキハナナ 

 

これらの植物は、続けて育てないようにすることが大事!
ペチュニアの次にニコチアナ のように、同じ科の花を続けて植えると障害が出やすいです。

こればかりは、とにかく続けないことが最善策。
障害が起きないように別の性質の植物を育てることを
「輪作(りんさく)」 といいます。

鉢植えの場合は、どうしても、数も増やせなかったりして難しいですが
同種の花を続けて育てるのはできるだけ避けましょう。

 

連作障害を防ぐには、ほかに 「接木(つぎき)」 を使う方法
「コンパニオンプランツ」 を使う方法があります。

「接木」 って、よく聞きませんか?
これは、植物の根っこの上に、違う植物の茎から上をくっつける手術をしたものです。
つまり、上がナスでも根っこが違う植物なので、害が出にくいというしくみです。

今度野菜苗を見かけたら、ちょっとチェックしてみてください。
接木苗は、ふつうの苗より高額、2〜3倍のお値段します。
それには、それなりの理由があるんです。

 

連作障害については
 ・ あたりや農園さん 連作障害と輪作 のページ
 ・ Wikipedia 連作障害
 などで説明があります。

 

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花マークコンパニオンプランツ

『コンパニオンプランツ』 って、聞いた事ありますか?
アリとアブラムシ みたいな共生関係にある植物のことをいいます。
「共栄(きょうえい)植物」 といいます。

『共栄』 って言うと難しいかもしれないけど、
つまり、弱点を補って助けてくれる相手です。

かかりやすい病気の原因になる虫や微生物が近寄らなくなったり
害虫の天敵を呼び寄せて食べてもらったりして
病気や食害を減らしてもらう方法です。
お互いによく育ったり、味がよくなったりという効果もあります。

 

近所に畑があったら、ちょっと注意して見てみてください。
野菜のほかに、花(マリーゴールド)が植えてあったり、
畑の周りがネギで囲んであったり、しませんか?
実は、それが 「コンパニオンプランツ」 を使っている畑です。

マリーゴールドは、花を土にすき込むと
アブラナ科がかかりやすい根コブ病を抑えてくれます。
ネギを畑周りに植えるとモグラが畑に入ってきにくい他、
アブラムシや病気にも効果があります。

ビックリでしょ??
ほかに、こちらのサイト Growing にいろいろ例が出てます、
タキイ種苗にもありますね。ご参考までに。

なお、こうした有用植物を、総称してハーブ といいます。
食用以外でも、染料・香料・虫除け・殺菌など、
役に立つものはみな 「ハーブ」 になります。
「ハーブ」という言葉の定義はとても広いんですよ。
ハーブ関係のおすすめ本はこちらのコーナーで紹介しています^^

 

コンパニオンプランツは、昔からのいわゆる 生活の知恵 で、
科学的には解明されていないものもまだまだ多いのですが
効果はあるとされています(絶対とは言えませんが)

コンパニオンプランツを取り入れるときに気をつけないといけないのが、
やっぱり農薬。
農薬を使うと、コンパニオンプランツの意味がなくなります。

せっかく天敵を集めても、クスリでその天敵を殺してしまったら?
有用菌に助けてもらおうとしているのに、その菌を殺してしまったら?
まったく意味がなくなってしまいますね。
効果を出すには、むやみに農薬を使わないことが大事です。

 

「虫や菌がみんな悪者」 ではありません。
悪さをするのはごくごく一部ですから、
その「悪い虫」の天敵や苦手なものをうまく利用することで
農薬に頼らなくても病気にかかりにくくなります。

野生の花は滅多なことでは滅びないでしょ?
「自然」を真似るのが一番いいんです^^

 

肥料や農薬は 「自然ではない」 ものです。
花壇や鉢栽培も 「自然ではない」 ものですから、
肥料や農薬も時には必要になりますが、
きちんと用法・用量を守りましょう。

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