鉢植えは縁起が悪い?
縁起の悪いことで有名な「鉢もの」。 そのいわれは「根がある」→「根付く」から、退院できないと連想
されてしまうから、ということ。
本来は、入院している方が長引くといけない、という意味ですから
ご自宅で療養されている方の場合は、あまり気にしなくても良いのですが
あまりに 「鉢は縁起が悪い」 という事だけが広まってしまったため
お見舞いの場合すべてで避けたほうがよい、という風潮に…
ご本人とご家族が不快に思わないと分かっている場合は、
「お花を育てるのがお好きな方のご自宅に伺うから、切り花より喜ぶ」と 鉢植えを贈るかたもいますので、ケースバイケースですが。
入院されている場合は、切り花にします。 切り花でも 「アレンジメント」 が基本です。 花瓶を持っているとわかっている場合は花束でもよいですが
ふつう、花瓶の用意のない方の方が多いでしょう。 それに、入院されているご本人が花を生けるのは大変なことです。
水を足すだけでよいアレンジメントにしましょう。
ちなみに、若い方の間では、逆の捉えかたもあります。
花期の長い鉢ものは 「枯れない」→「死なない」
むしろ「どんどん花が咲く」→「元気になる!」 から縁起が良い、というもの。
そもそも縁起が良い、悪い、というのは時代時代で変わるものですから このように逆の説が出てくることもありますが、それでも
日本ではまだまだ、『鉢植えは縁起が悪い』という説が有力です。
お見舞いの際は避けておいたほうが無難です。
ドラマのいやがらせといえば!白とブルー&菊の花
ドラマでよくある「いやがらせ」として記憶にあるかもしれません^^;
白やブルー、菊の花は、日本では 『葬儀の花・お供えの花』 というイメージがまだまだ強く残っています。
若い方の場合本人は気づかないかもしれませんが 、ご家族が
『早く死ねと言っているのか!!』 『なんて非常識な!!!』
と激怒する可能性が非常に高く、やめたほうがいいです。
ただ、菊の花といっても「輪菊・小菊」以外
(右の写真のような昔の日本の「菊」以外) であれば問題ないでしょう。
いまは「菊」といってもいろいろあり
結婚式でもよく使われるようになりました。
「菊」だからと選択肢からはずすことは
非常にもったいないのです。
(→詳しい菊の話はこちら)
また、見舞いたい当のご本人が 「白が大好きで、部屋のコーディネイトも真っ白だ!」
「 携帯・サイフ・手帳…持ち物は全部ブルーなくらいブルーが好きだ!!」
というような場合は本人が喜ぶのでしたら贈って構いません。
ただ、ご家族に誤解のないようにカードを添えるなど配慮しましょう。
赤1色はなるべくやめる
赤がいけないのは 「血の色」 だから。 特に手術をした方、ケガで入院した方など、実際に出血をされた場合は できるだけ避けます。
それ以外にも、「赤」という色は病室には好ましくありません。
「やる気が出る」「食欲が出る」といった効果もありますが、 基本的に興奮する色です。 身体が弱っているのですから、安定する色のほうがいいですね。
同じ暖色系でも、ピンクや黄色などやさしい色の方がいいでしょう。
どうしても赤を入れたい!ときは、分量を減らします。
ほかの色を中心にして、少しポイントに使うと、赤もいっそう引き立つし
チカチカしすぎることもなくなり、一石二鳥です!
このように、基本的にはあんまり良くない色ですが、これもケースバイケース たとえば、こんなことがありました(実話です)。
「ずーっと長く入院されているおばあちゃまに」と、
月に一度かならずお花を贈る娘さんがいました。 彼女は、毎月、外に出られない「おばあちゃま」のために
かならず季節を感じられるものを贈るようにしていました。
春はチューリップを、夏はひまわりを、秋はかぼちゃや栗のアレンジを、
そして、クリスマスには赤い花と、飾りをつけたもみのアレンジを贈ったのです。 …すてきですよね?
「しきたりは守ること」がかならずしもベストではない、ということも
おぼえていてほしいな、と思います。
清楚で愛らしくても、この場は避ける
「下向き」→「首が落ちる」から縁起が悪い、とされています。
その代表とされるのが、ユリの花。
「え?ユリって下向きだっけ?」 と思わず言ってしまいますが
むかしは、日本のユリは下向きのものが多かったんです。
今は品種改良がすすみ、下向きのユリのほうがめずらしくなりましたが、 年配の方は 『ユリは縁起が悪い』 と思っている方も少なくありません。
気をつけたほうがいいです。
ユリ以外でも、下向きの花は年配の方には たとえイマドキの人気の花でも 「元気がない」「枯れている」と取られがち。なるべくやめましょう。
若い方に贈る場合はそんなに気にしなくても大丈夫。
下向きやこころもちうつむき加減のお花は、人気の花にも多いんです。
(→サンダーソニア、グリーンベル、スカビオサなど…)
下向きばかり、ではよくありませんが、ポイントに入っているくらいなら そんなに神経質にならなくてもいいでしょう。
”散る”と縁起が悪いだけじゃない
散り方のはげしい花は、縁起も悪いですがなにより 掃除がたいへんなのです!
チューリップやレースフラワーは人気がありますが、けっこう散ると大変です。 花粉の飛び散る花も気をつけます。
具合が悪くて寝ていたら掃除もできませんので、少し考えてあげましょう。
あと、せっかく「元気になって」と持っていくのですから 3日は持つ花のほうがいいですね。
いちばん向かないのは、1〜2日で散り、花粉も散る、ポピーかな…^^;
香りはほどほどに
お見舞いでやめたほうがいい、といわれるのはいわゆる 「ムスク香」 といわれるむせかえるような香りです。
花で言うと、オリエンタルリリー、月下香(チューベローズ)、くちなし などが避けたほうがよい花になります。
これらの香りは強すぎるため、健康な人でも、嗅ぐとめまいがする、 気持ち悪いなどの症状が出ることもあります。
病人にはなおさらよくありません。 また、大部屋ですと、同室のほかの方にもご迷惑になります。
ご本人がユリの香りが大好きで、なおかつ、個人部屋であることが分かっている場合は、贈ってもかまいませんが、一般的にはやめましょう。
バラ、フリージア、スイートピーは問題ありません。(量にもよりますが…)
お見舞いには関係ありませんが、これらの花は料理を出すお店に飾るのもやめたほうがいいですね。
料理のにおいと混じってすごいことに・・・・・・
あ、結婚式の披露宴会場にも、大量に使うのはやめたほうがいいです…
定番解決策! ピンク・黄色・オレンジ系
じゃあ、とどのつまり何がよいか?そのポイントは3つです。
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