どんな時に花に札をつけるの?
札のついた花って、どこで見ますか? よく、開店祝い・演奏・講演会場や葬儀会場で見かけると思います。
基本的に、 ”花に札をつける” のは 開店祝い・演奏会・講演会・葬儀の場合などに贈る スタンド花、もしくは同等のクラスの花のみ、 つまり・・・
「大きなお祝い」 と 「仏事」 の場合のみとなります。
この冠婚葬祭の場合は、ある程度の 「きまり」 がありますので 従うのが基本です。
*お祝いの花と札のきまり ・・・ 「新築・開店・開業祝のマナー」 参照
*仏事の花と札のきまり ・・・ 「弔事のマナー」 参照
ただし、出産祝い・快気祝いなど、お金を包むことがあるような用途の場合や
お中元・お歳暮・新年のご挨拶などの場合は、 祝儀袋やのしの代わりとして、小さな紙の札に、 のしと同様の「出産祝」「御中元」などを書いてつける場合もあります。
こうした場合は、必須ではなく、贈り主の自由です。 つけてもつけなくても構いません。
つけなくても用途が相手に伝わるのであれば必要ありませんし、 札でなく、メッセージの中に気持ちを書いてつけても良いです。

札にはどんな種類があるの?
一般に、左の図のような種類があります。
細かいサイズやデザインは、花屋さんによってまちまちですのであくまでも種類として
・メッセージカード ・カードと同じくらいの小さな紙の札 ・ハガキサイズくらいの紙の札 ・大きな木札(紙製もあり)
の4サイズがあると思ってください。
基本的には、花の大きさに合わせます。
大きな木札は、スタンド花、または同等の2・3万円以上のアレンジメントに
ハガキサイズの紙札は、ラン・観葉などの鉢植えや、中くらいのアレンジメント(1万円前後~)に
カードサイズの紙札は、もっと小さな鉢植え・アレンジメント(~1万円以内)につけます。
先ほどの、 「出産祝」 「お歳暮」 などの場合は、メッセージカードか、 またはカードサイズの札で無地のもの・お祝い用でシンプルなものを用います。

札には何を書けばいいの?
まず、これには地方性があります。 地域によって、「適切な書き方」 が異なるんです。 また、用途によっても違います。
ですので、基本的にその地区の花屋さんにおまかせします。
どうしても入れたい内容がある場合は、 花屋さんと相談して書き方を決めましょう。
とはいえど、全く分からないと不安だ、というあなたのために
参考までに、一般的な場合についてお話しますね。(東京近郊の場合)
こちらが、一般的な名札の記入例です。
1~3がお祝い、4・5が仏事になります。
お祝いの場合は、 「何のお祝いか」 をまず書き、スペースや地域性にあわせて 「相手の名前」 「差出人の名前」 を適宜加えます。
先述の「出産祝」や「お歳暮」の場合は、 「のし」 ですと、下に自分の名前(差出人)を書くことができますが、 カードの場合、スペースがありませんので、基本的には
用途である 「出産祝」 「お歳暮」 等のみの記載となります。
お供えの場合は、 「差出人の名前」 のみ、というのが一般的です。
札の大きさ・形・そして地域によって、書き方は多少異なりますので 細部はお花屋さんに任せるか、相談して決めてくださいね。
なお、葬儀の後ご自宅に伺う場合や、法事ごとに贈る場合などは、 小さい紙の札で、 「何の用途か」 のほうを書く場合もあります。
この場合は、葬儀会場と違って、”誰が贈ってくれたか” は伝票で分かりますので、差出人の名前を書かずに 「用途のみ」 を書くわけです。 (書くスペースがあれば、 「差出人名」 も書いて構いません)
お骨がある間(49日前まで) は 「御霊前」 49日を過ぎたら 「御仏前」 が一般的です。
この際に、 『薄墨で書く』 地方もありますが、 現在は普通の黒い墨で書くことも多いです。

お見舞いの花に名札をつけたいんだけど?
ここまでの通り、基本的にはお祝いか仏事の場合以外は札をつけません。
お見舞いの場合も、基本的にはつけません。
特に、あなたがご自分で花を持参する場合、お見舞いであることも、差出人があなたであることも明白ですから、札をつける理由もないわけです。
ただし、 ”団体で贈りたい” とか、 ”行けないから花だけ届けたい” というような場合は、差出人やその気持ちを伝えるために、 簡素な札やカードという形でつける場合はあります。
この際に気をつけるのは、あくまでも 『仰々しくないようにすること』
お見舞いというのは、先方は体調を崩しているわけです。 良い状況でもありませんし、できればあまり広めたくない、伏せておきたいと言う場合も多いでしょう。
そういう場合に、 「私がお見舞いとして贈りました!!」 と堂々と書き付けて渡すことはできる限りやめたほうが良いです。
ですので、気持ちを伝えるためにつける場合は、 あくまでも のし代わり につけるつもりで。
メッセージカードか、または無地のカードサイズの紙札を使います。
お祝い用の札も、仏用の札も、当然使えませんので注意!!
カードを選ぶ際も、特に仏用に見えないように気をつけましょう。 お見舞い用の花を選ぶ時と同じ理由です。
お見舞いに、「お供え」を連想させる花やカードは厳禁です! 「早く死ね」 と言っているのと同等に受け取られてしまう危険があるからです。
*お見舞いの花のきまり ・・・ 「お見舞・出産祝のマナー」 参照
花を選ぶ基準と同じですが、寒色系の色(青・緑・紫・グレーなど)は避け、 やわらかい暖色にします。(ピンク・黄色・オレンジなど) ショッキング系のビビッドカラーも避けてください。
そして、簡潔に 「お見舞」 「御見舞」 とだけ書きます。
差出人を伝えたい場合は、用途でなく、団体名などの 「差出人のみ」 を書きます。 欲張っていろいろ書かないように・・・
いろいろ書きたい場合は、メッセージカードに、普通に「メッセージ」として書きます。
「○○先生 一日も早いご回復をお祈りしております。 △△同好会一同」 など・・・

花をもらった時、札はいつまでつけておくべき?
特に自宅に頂いた場合や、 開店祝いに長持ちするランや観葉植物を頂いたときに思ってしまう疑問だと思います。
そこで、「札のついている状況」 をもう一度考えてみましょう。
開店祝・演奏会などのお祝い、そして仏事 ですね。
こうした場合の 「花」 って、いつまで飾られているでしょうか。
はい、当日限り、または3日間くらいですね。
展示会の期間がもっと長かったり、開店祝いなどの場合は、花が持つ限り、 (とはいっても見た目に汚くなる前まで)飾られますので
冬場だと5日間くらいになることもあるでしょう。
ですので、もっと長持ちする観葉や、自宅に花を頂いた場合でも、 このくらい(1週間をめやすに)で札を取って構いません。
ただ・・・ 10日後に贈り主が見える、と言うような場合は、いらっしゃるまできれいにとっておいたほうが先方が喜びますよね。
そのあたりは適宜、臨機応変に対応してください。
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